コロナプレイというご提案。

コロナプレイというご提案。

緊急事態宣言が発令された。海外のロックダウンに比べて、タイミングが遅く、規制もゆるく、残念ながら問題解決できると思えない。

でも、それを他人事として見ているわけにはいかない。1ヶ月後に腕を組みながら偉そうに「やっぱり、ダメじゃん」なんて言いたくない。「えっ、すごいじゃん日本」と驚きたい。

自分にできることはないだろうか。思いついたのが、「自分が新型コロナウイルスに感染していると思って行動する」というアイデアだ。コロナ患者を演じる。つまり、「コロナプレイ」です。

もちろん、家にいるときは家族と元気におしゃべりして構わないんだけど、家から一歩出ると、自分はコロナに感染していると設定するのだ。そうすれば、人に会おうとは思わないし、自分にとって大切な人ほど会いたくなくなる。結果、人を守ることになる。自分も守ることができる。

「コロナプレイ」は日本人の気質に合っている。日本人は「人に迷惑をかけたくない」という気持ちが、海外の国々よりも強いのだ。

日本とインドの違いにこんな逸話がある。インドの家庭では人は人に迷惑をかけるものだから、迷惑をかけられても「人を許すんだよ」と教える。日本の家庭では「人に迷惑をかけないようにね」と教える。ぼくのおばあちゃんも「迷惑かけてないか?」とよく言っていた。

「コロナプレイ」においては、人に会えば会うほど、動けば動くほど迷惑をかけることになる。

「人に迷惑をかけたくない」という日本人の気質は、現在の状況でマイナス面にもはたらく。仕事を休むのが下手なのだ。

以前スウェーデンの友達に「なんでそんなに仕事を休めるの?」と聞いたら、「法律で決められてるのもあるけど、自分じゃなくてもできる仕事だから」とフランクに答えてくれた。

それに比べて、日本人は有給休暇をとるときも、周りに迷惑をかけないだろうかと心配をする。だから、会社の中の偉い人が「在宅勤務でいいよ」とか「休んでいいよ」と言ってくれるのが一番いい。

でも考えてみてほしい。どっちが本当の迷惑になるか。どっちが問題解決につながるか。長期的な視点で。

「コロナプレイ」なんて言っていられない、過酷な状況の中で働く医療従事者に感謝です。そして、スーパーで働く人など、生きていくために必要な場所で働く方々にも感謝と敬意を示します。

本当の本当の本当に、外に働きにいかないといけない人以外のみんなが劇団員になってくれるといいなあ。きっと演じることができる。今日から1ヶ月間の舞台の幕開けだ。もしこれを読んで賛同してくれた人は、劇団員を増やしてほしい。

今日も読んでくれてありがとうございます。
1ヶ月後にいい驚き方をしたいのです。

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マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud