犬のように。

犬のように。

ぼくの友だちに「人間が大好き」と言う人がいる。そのことばを耳にしたとき、嘲笑の気持ちになった。

「犬が大好き」とは言えても、「人間が大好き」とはぼくには言えない。戦争をはじめるし、自然を破壊するし(人間は自然の一部のため、じっさいは自己破壊)、飼っていたペットを捨てるし、人間という動物は自分もふくめて醜い。

大好きな人がいれば、大嫌いな人もいる。人間全体が大好きなんて言えない。

ガチガチの頭でそんなことを考えていたときに、ふと思った。なぜ、犬のことは大好きなんて言えるのだろう。

犬のよさは、かわいさや、従順なところ、そばにいてくれるところ、いろいろあるだろう。でも、本質的なことは、犬は「人間が大好き」と思ってくれるから、人間は犬が大好きなのかもしれない。

ハワイで、ホームレスが犬を飼っているの見たことがある。犬はうれしそうにホームレスと暮らし、その人の手をペロペロと舐めていた。犬は、まったく差別をしないのだ。ホームレスだろうと大好きでいてくれる。

人に好きになってもらうには、犬やぼくの友だちを見習って「人間が大好き」と思うほうがいい。やっぱり、「批判する頭のよさより、いいなぁと惚れ込む感性のほうが大事」ですね。

今日も読んでくれてありがとうございます。
犬から学べることってたくさんあるよね。

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マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud