ちょうどいい鼻毛にありがとう。

ちょうどいい鼻毛にありがとう。

日常は「ちょうどいい」に支えられている。ちょうどいい味、ちょうどいい温度、ちょうどいい距離。ちょうどいいサイズ。ちょうどいい音量。ちょうどいい人。

ふだん褒められることの少ない「ちょうどいい」だけど、「ちょうどいい」って、すごい価値だと思う。

たとえば、ちょうどいいリーダーなんてのは、希少な価値だ。独断的にものすごいスピードとパワーでチームを引っ張るリーダーがいるとする。そんなリーダーについていく人は、そんなスピードについていけない、そんなに引っ張らないでよと思う。

逆にチームの自主性に委ねるようなリーダーの場合、リーダーの下につく人は、もっと引っ張ってほしい。なにか指示をくれと思う。

もし、あなたが「ちょうどいいリーダー」のもとにいるとしたら、石の上に石を積み上げる「ロック・バランシング」くらい、リーダーとあなたの関係性は奇跡的なバランスでできている。

「ちょうどいい」が価値ってのは、鼻毛なんかも同じだ。鼻毛が伸びて鼻の穴から飛び出すと笑いの対象になる。鼻毛が短くてウイルスが体内に侵入しやすく、いつも風邪をひいているとこれまた笑いの対象になる。

鼻の穴から飛び出すほど主張せず、身体を守る「ちょうどいい」鼻毛ってのは、ドラマの名脇役のような存在だ。よしよしと褒めてやりたい。鼻をほじくるときに、よしよしするとしようじゃありませんか。あっ、褒めると、伸びるかな?

今日も読んでくれて、ありがとうございます。
「ちょうどいい」よ、ありがとう。

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マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud