いいこと、ときどき、ごめいわく。

いいこと、ときどき、ごめいわく。

一般的には「いいこと」でも、ときと場合によっては「迷惑」にもなる。

たとえば、食事をしたばかりでお腹いっぱいの人に、「料理つくったから、食べて」っておいしい料理を差し出しても、それ以上食べたくないだろう。

読まなくちゃいけない本がたくさんある人に、「この本、すごい泣けるんです」と感動する小説を贈っても、読んでもらえないだろう。

大好きな彼氏がいる女性に、「あなたのことが大好きです。付き合ってください」ってこころを込めて告白しても、重荷になってしまうだろう。

自分にとって「いいこと」をやっていても、相手にとっても「いいこと」になるには、相手のお腹が空いている状態が必要なのだ。

じゃあ、どうやって空腹かどうかを見極めるのだろう。人は「ああ、お腹すいたー」と叫びながら、街を歩いたりしない。人は「オススメの本を教えて」と腕にタトゥーを彫ったりしない。人は「彼氏募集中」のプラカードを持ち歩いているわけではない

相手が空腹のときに出会えるのは、ちょっとした奇跡なのだ。

じゃあ、どうしたらいいんだって?やっぱり、自分にとっては「いいこと」でも、相手にとっては「迷惑」になることもあるということを、こころのどこかに保存しながら、言ってみて、行動してみて、失敗するしかないのでしょう。

いらないって言われたら、つくった料理は自分でおいしく食べて、うんこする。いらない本は燃やして、焚き火であたたまる。失恋したら、海に向かって叫んで、せっかく海にまで来たんだから水面に石を投げて何回はねるかやってみて、4回以上なかなはねないことを知ればいい。

読んでくれて、ありがとうございます。

いっぱい失敗。恨みはなしよ。

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マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud