「かわいいです」と書いてみて、違和感があった。「かわいい」に「です」をつける違和感だ。
考えてみれば、この違和感の正体は、「かわいい」の瞬発力にある。想像してほしい、自分が「かわいい」と口に出しているときのことを。
「かわいい」は瞬間的に、そして興奮的に口から飛び出してくることば。その対象を敬うとか余裕のないものなんです。
先日、おじさんのぽっこりお腹を見た二十代の女性たちが、「かわいい」と言っていた。おじさんは女性よりも20以上歳の離れた方だ。言うなれば、敬語で話さないといけない相手だ。
でも、「かわいいですね」なんて言ったら、「かわいい」の熱の鮮度が落ちてしまう。「かわいい」と思った素直な気持ちを届けるには「かわいい」でいいんです。
「かわいい」に「です」はいらない。「かわいい」に「敬意」はいらない。だから、「かわいい」ってことばはいいんだ。思えば、「おもしろい」もそうだよなあ。
読んでくれて、ありがとうございます。
「かわいい」って、書くことで鮮度も落ちちゃうね。
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