ぼくの友だちに「人間が大好き」と言う人がいる。そのことばを耳にしたとき、嘲笑の気持ちになった。
「犬が大好き」とは言えても、「人間が大好き」とはぼくには言えない。戦争をはじめるし、自然を破壊するし(人間は自然の一部のため、じっさいは自己破壊)、飼っていたペットを捨てるし、人間という動物は自分もふくめて醜い。
大好きな人がいれば、大嫌いな人もいる。人間全体が大好きなんて言えない。
ガチガチの頭でそんなことを考えていたときに、ふと思った。なぜ、犬のことは大好きなんて言えるのだろう。
犬のよさは、かわいさや、従順なところ、そばにいてくれるところ、いろいろあるだろう。でも、本質的なことは、犬は「人間が大好き」と思ってくれるから、人間は犬が大好きなのかもしれない。
ハワイで、ホームレスが犬を飼っているの見たことがある。犬はうれしそうにホームレスと暮らし、その人の手をペロペロと舐めていた。犬は、まったく差別をしないのだ。ホームレスだろうと大好きでいてくれる。
人に好きになってもらうには、犬やぼくの友だちを見習って「人間が大好き」と思うほうがいい。やっぱり、「批判する頭のよさより、いいなぁと惚れ込む感性のほうが大事」ですね。
今日も読んでくれてありがとうございます。
犬から学べることってたくさんあるよね。