お顔の信号機。

お顔の信号機。

なにかイヤなことをされたら、ムッとしていい。

イヤなことがあっても顔に出ない人、出せない人は、まわりの人にとっては都合がいい。なにをしても、させても、罪悪感を感じずにすむ。でも、当の本人にとっては都合よくない。

その顕著な例が、電車のチカンだ。チカンをされてイヤな顔ひとつできなかったら、ていへんだ。

「イヤな顔ひとつせず」という褒め言葉があるけれど、「イヤな顔ひとつできない」のは、ある意味で機能の欠陥ともいえる。

先日、こんな話になった。ある男性について「あの方って、どんな方ですか?」とぼくが聞くと、「うーん、なにを頼まれても、平然とした顔でいられる人」とその男性を知る人が答えた。

平気な顔をしていられるその男性には、みんなから「あれやって、これやって」と次々と仕事が降ってくるのだという。たのしそうな顔をしている人に仕事は舞い込む。

人生のなかには、「イヤな顔ひとつせず」に、無理をする期間もあるだろう。でも、あとでコロっといかないように、つらいと感じたら、ことばに出したほうがいい。ことばにできないなら、顔に出したほうがいい。

風邪をひいたら熱や咳が出るように、飲みすぎたら顔が赤くなるように、イヤなことをされたらムッとする。お顔の赤信号の機能をオフにしちゃいけない。

読んでくれて、ありがとうございます。

ごきげんであることは大事だけど、生きることのほうがもっと大事。

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マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud