「好きな海の生物は?」と聞かれたら、タコとイルカで迷ってしまう。宇宙から来た生命体のようなフォルム、変幻自在に擬態するタコ。高いコミュニケーション能力、気持ちよさそうに飛びはねるイルカ。
どちらにも憧れの気持ちがある。そして、どちらにも自分と似ているなあという箇所がある。
ぼくの中には、タコのように隠れたい気持ちとイルカのように見てほしい気持ち、どっちもあるのだ。
多くの人の目線が寄せられると、恥ずかしい気持ちになってタコのように背景と同化したくなる。
たとえば、みんながぼくの話を聞いているときなんかは、できるだけ早く終わらせるために話を端折ってしまう。最近、読んだ小説をどんな小説か説明をしたのだが、物語を端的に説明すると、おもしろくないことに気がついた。相手に「おもしろい」と思ってもらうためには、話を端折ってはいけない。そうとわかってはいても、隠れたい気持ちが大きい。
そんなタコのくせして、イルカのような気持ちもあるから面倒くさい。イルカのように水面から飛びはねて「ぼくのことを見てよ」という気持ちだ。
イルカのあのジャンプは、ほとんど「遊び」だという。でも、「求愛」も含まれるという。「水面に飛びはねて誰に求愛をしているんだ」と思うだろうが、あれは水の中にいるメスに「気泡」でアピールをしているのだ。飛びはねて着水したときにできる「気泡」の量が大事なんだそう。
でね、なんでこんな話を書いたかというと、ぼくが今やってる展示「WATER」に来てもらって、ぼくというより、ぼくの絵を見てほしいからなんです。展示は原宿のカフェ「bio ojiyan cafe」でやっていて、8月31日までです。ぜひ来てくださいってことなんです。
えっ、どんな絵かって?、まあ来ればわかりますよ、そんじゃ。(タコ)。見てね、来てね、見てね(イルカ)。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたの中には、タコとイルカいるでしょうか?
マスダヒロシ 個展「Water」bio ojiyan cafe 原宿本店