元任天堂の社長、岩田さんのことばを集めた本『岩田さん』を読んだ。
岩田さんの言うことは、いちいち正しい。正しいことばかり言われると、窮屈さを感じて「でもね、現実はちがうんだよ」なんて言いたくなる。でも、岩田さんのことばは、窮屈さを感じさせない。広くて大きな視野を手にすることができる。
きっと、それは岩田さんという人が、口よりも手を動かしてきた人だからだろう。そして、ラクではない立場に自ら立ち、常に問題解決をしていた人だからだろう。
本の中の、任天堂 宮本茂さんが言った「アイディア」について取り上げてみる。
「アイディアというのは、複数の問題を一気に解決するものである」どんなものでもそうだと思うんですけど、なにかをつくるときって、「あちらを立てればこちらが立たず」という問題がつねにあるわけです。
こんなことばが本に書かれていた。たとえば、誰かの仕事をラクにするために、他の誰かにそのままその仕事を渡すことは、いいアイデアではない。負担の移動だ。かと言って単純に人を雇って増やすのも、負担がコストへ移動しただけだ。
互いの時間を生み出す仕組みや、その仕事の時間がうれしい環境にするのがアイデアになるだろう。
いい関係性も同じだと思う。どちらか一方がうれしくて、もう一方がうれしくないのはいい関係ではない。「どちらもうれしいが、いい関係性である」
親と子の関係だったら、親が育ててあげてると思ってるのでなく、子どもを育てる時間がたのしいと思えること。親も子も、いっしょにいる時間がうれしくて、いい親子関係になる。
先生と生徒の関係性も、「教えてあげてる、聞いてあげてる」じゃなくて、「教えてうれしい、学んでうれしい」がいい先生と生徒の関係になる。
ぼくはインタヴューをさせてもらうとき、いい関係性でありたいと思っている。それは、どちらにとっても、うれしい時間になることだ。話し手が、話せてうれしい。聞き手が、聞けてうれしい。そして、読み手が、読めてうれしい。
いい関係性、「三方よし」であるためには、いつもいいアイデアが必要ですね。
今日も読んでくれてありがとうございます。
お互いがうれしいことを。