「アリさんにあげよっ」好き。

「アリさんにあげよっ」好き。

好き。美しさを発見し、こころが向かうこと。

好きな、人、コト、物、カルチャー、場所、ムード・・・それは王道でも、ニッチでも。目に見えるものでも、見えないものでも。好きな理由を説明しやすいものでも、うまく説明できなくても。すべての「好き」って気持ちは、美しい。

ぼくは、人の「好き」と想う気持ちと、それに向かう姿が、好きです。あなたの、好きな人、コト、物、カルチャー、場所、ムードなどを教えてください。「好き」の気持ちを送ってください。すてきな投稿の「好き」をイラストに描いて、文章を「The U」でご紹介させていただきます。

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The U 好き。

と書いてはみたものの、これだけで「わかった、送ってみよー」とはならないですよね。いったい、どんなことをどれくらい書けばいいのかわからない。っということで、まずは、ぼくが好きなものを書いてみます。

アリさんにあげよ 好き

お父さんが子どもに言った。「アリさんにあげよっ」と。

子どもの小さな足の先を見てみると、ねずみ色の道の上に桜色のわたあめが落ちていた。子どもが、手にしているわたあめの一欠片を落としたのだ。

「アリさんにあげよっ」というお父さんの言葉は、子どもが拾って食べないようにするために、ふと出た一言だろう。なんて、かわいくて、ユニークで、やさしい一言なんだろう。この言葉そのものが、わたあめのようだ。

子どもがわたあめを拾って食べないように、他の言葉でも止めることはできる。直接的な言葉であれば、「拾っちゃダメだよ」とか、「ダメ〜」だったり、「コラー、拾うなー」なんてね。言葉じゃなくても止めることができますよね。先にわたあめを拾ったり、子どもを持ち上げたり、さいあくな場合、子どもの手を叩くことだってできる。

でも、そのお父さんは「アリさんにあげよっ」って言ったんです。しかも、咄嗟にね。咄嗟の言動には、その人の人間性がまるごとこぼれ落ちる。ぜったい、やさしくて、クリエイティブなお父さんです。

いやあ、好きだな。「アリさんにあげよっ」、そして、お父さん。

もうこのお父さんのお嫁さんになりたいと思ったくらいですよ。うん、結婚されてるけどね。もうこのお父さんの帰宅時に「お風呂にする?」「ご飯にする?」って言うのを想像したくらいですよ。うん、結婚されているし、子どももいるけどね。もうこのお父さんと老後に一緒に手をつないで歩くことを想像したくらいですよ。うん、ぼく全く関係ないですけどね。

「アリさんにあげよっ」が好きだと思ったかたは、あなたの好きを教えてくださいね。
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マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud