言葉よりも仕上がりがものを言う 上村 奈央 第3回

言葉よりも仕上がりがものを言う 上村 奈央 第3回

インタヴューの相手は、ヘアデザイナーの上村 奈央(NAO)さん。自分のことを「環境に影響されやすい、単純な人間」と話すNAOさん。だからこそ、常に厳しい環境に身を転がしてきた。そして、次のチャレンジは、ニューヨーク。

ヘアデザイナーへの道のり、居心地のいい今の場所を離れてなぜニューヨークへ行くのか、聞きました。

全4回に分けてお届します。第3回です。





上村 奈央 NAO ヘアデザイナー The U

上村 奈央 NAO ヘアデザイナー The U

マスダ ヒロシ1987年埼玉県生まれ。The U 編集長。イラストレーター。1月15日から原宿の「ビオ オジヤン カフェ」で個展やってます。1年半海外を旅してた。

髪を切らせてもらえるまで

マスダ
最初から髪を切らせてもらえるわけじゃないですよね。

NAO
はい、最初は掃除です。ひたすら掃除とシャンプーの練習です。

マスダ
シャンプーにも練習があるんですか。

NAO
合格もらえないと、お客さんのシャンプーができないので、最初は朝から夜までスタッフ同士でシャンプーの練習やってました。シャンプーのしすぎで、頭が痛くなる第2弾です(笑)。

マスダ
シャンプーはどれくらい練習するんですか?

NAO
だいたい1ヶ月以内にはで完璧にできなくちゃいけないんですけど、個人差はあります。そこから「誰が先にお客さんに入れるか」って、同期との競争がはじまってますね。

マスダ
髪を切らせてもらえるまでは、どれくらいの期間がかかるんですか?

NAO
私は約3年ですね。

マスダ
3年って長くないですか?

NAO
東京だと3年から5年って言われていたので、3年でスタイリストになれたのでよかったです。

マスダ
3年間は、掃除とシャンプーと。

NAO
カラーと。先輩のアシスタントとしてついて、カット以外のことを。

マスダ
切りたいって、もんもんとしないですか?

NAO
やりたいのが半分、不安も半分。カットって取り返しがつかないので。

言葉じゃなくて、仕上がりがものを言う

マスダ
最初に切らせてもらえるときって、どうでしたか?

NAO
最初ドキドキで、すっごい汗かいてました。会話もしなくちゃいけないし、カットもちゃんとしなくちゃいけないし。必死でしたね。

上村 奈央 NAO ヘアデザイナー The U

マスダ
たしかに喋りながら切るのって、たいへんですよね。たまに喋ってたら、切ることに集中してないなあって思うこともあります。ぼくは、喋らないでいいので、切ることに集中してほしい派です(笑)。

NAO
会話を楽しみに来店してくださる方もいるので、見極めが大切ですね。

最初の1年くらいは、喋らなくちゃいけないし、切らなくちゃいけないしってやってたんですけど、まずはお客様の事を感じて、知ってからデザインのすり合わせ、個性に合わせてアドバイスすること、お客さんとの関係性が大事だなあって。

マスダ
関係性とか、信頼って、どうやってつくるんですか?

NAO
最初のカウンセリングでじっくり話を聞いたり、提案することが大事ですけど、まずは似合うスタイルを大切にして切ることを心がけてますね。やっぱり、言葉じゃなくて、仕上がりがものを言うと思います。「あそこのカットかわいいな」とか「もつな」ってなれば、また来てくれるので、どうしたら、そうできるか研究してました。

マスダ
研究っていうのは、スタイリストになったあとも、街で声をかけてカットすることもあるんですか?

NAO
はい。切ったり、撮影したりしますね。モデルさんにお願いして、自分のやりたいスタイルで切らせてもらって、作品にして。「自分はこういうことができます」っていうのを出しながら、サロンワークでお客さんに合ったスタイルで提案してますね。

マスダ
みんな表参道で声かけてますもんね。こわいくらい。

NAO
こわいですよね。あそこ通るの。

マスダ
文化としておもしろいですけど。

NAO
アシスタントのときに声をかけて切らせてもらった方が、お客さんになることもあるので、出会いの場でもありますね。「カラーモデルやってください」って来てもらって、カラーをして、そこでお店に合格もらったら、カラーに入れるんですよ。全部合格しないとやらせてもらえないので。

カラーモデルやってくれた人が今でもお客さんとして来てくれたり、少しずつ信頼関係を築いてきました。

第4回/ニューヨークで自分はもっと伸びる

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上村 奈央 NAO ヘアデザイナー The U

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@nao__uemura

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http://naostyle.com/

マスダヒロシ
マスダヒロシ

The U 編集長/グラフィックデザイナー/イラストレーター 1987年埼玉県生まれ。2017年から1年半世界76カ国を旅をして、当たり前は時代と場所でひょいっと変わることを知る。イラストのご依頼お待ちしております。Instagram @hiroshimasud